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ナメクジと蜘蛛は殺さない

電動歯ブラシの電池が切れそうだったから、洗面所に行く。テレビからは、日本列島の下のほうに台風が3つもあると音声が聞こえる。

 

洗濯機の前に来たとき踵にぬるっとした冷たい感覚がわいた。完全に踏んでしまう前に足を上げる。猫がウンチでもしたんだろうか。サイズは同じくらいだけど、色が微妙に違う。ナメクジだ。

 

夏に出る虫はたいていは叩いて殺してしまう。蚊には苦い思い出がたくさんあるから筆頭だ。でも、なんだかナメクジならいっかとティッシュでくるんで、家の外に放ってやった。

 

蜘蛛は他の虫を食べてくれるのもあって益虫だという。ナメクジは、残念ながら害虫である。実家にいたとき、土をいじるのが好きで畑を耕していた。ナメクジは、当時最大たる敵であった。トマトの葉など、野菜を食い荒らすのだ。

 

なんで助けたのかはわからない。たぶん、あるとしたら、のそのそとした動きのせいだ。ゆっくりと動くことに憧れがある。スローに動けば、それだけいつもと違うように物が見えるのではないか。そんな敬意があったのだと思う。