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apple girlに告ぐ

ストーリー

「omamori  wo kudasai」とSkypeのチャット欄にメッセージがあった。

 

 相手の名は、apple girlというおそらく女性。

  

理由はわからないが、とにかく日本のお守りがほしいのだと言う。お守りだったらなんのためのものでもよいらしい。詳しいことは一切教えてくれない。どこの国に住んでるかも謎。でも、とにかく、至急、必要とのこと。

 

必死さだけは伝わってきた。これもなにかの縁かなと思い、大学生だった私は協力をすることにした。

 

友人に電話をする。神社めぐりの趣味がこうじて、神社の隣に住んでしまっている人間だ。事情を説明して、外に出てもらい、お守りを買ってもらった。安産祈願よりは学業成就のほうがいいかなと思い、そちらを選んだ。

 

「買ったよ」とapple girlに言うと、「指定した住所に送ってくれ」と頼まれた。宛先は韓国のソウル。そして、「貴方の住所も教えてほしい」とも言う。なにかヤバイ犯罪にでも巻き込まれてるんじゃないかと一瞬不安になった。まあ、乗りかかった船。最後までやってみるかと多摩センター206号室の住所を素直に伝えてみることにした。

 

それから、数ヶ月が過ぎた。apple girlのことは忘れてしまっていた。

 

卒業式を控えた3月に、一通の手紙が来た。ソウルからだ。すぐに開けて読む。

 

「大学に受かりました」と、そこには書いてあった。

 

彼女は、韓国の受験生だった。合格したのは日本語学科。不安と戦うため、日本語のお守りがどうしても必要だったのだ。「お守りがあって本当によかった。ありがとう。」とも書かれてあった。

 

世の中なにが起こるかわからないなと、私はそのとき、腹から感じたのだった。

 

そして、ここからが本題。

 

実は、私がアホすぎて、返信しようと思っていた貴女の手紙を、引っ越しのときになくしてしまいました。

 

このブログはこれからも続けていこうと思っています。もし、見かけることがあったら連絡をください。

 

貴女のおかげで、私も、世界の広さを体感することができました。

 

また話ができるととても嬉しい。